12.指標とチーム成績の関係
チームの勝率を上げる為には、失点を抑え、得点を増やすことが基本です。 チームの平均得点と得点率が、チームの平均失点と失点率が、それぞれ強い関係にあることを検証しましたので、チームの得点率と失点率の差がプラスであれば勝率が上昇し、マイナスであれば勝率が下降するはずです。
そのことを 2005年から2013年までの12球団のチーム成績データを使って、検証してみましょう。
得失点率の差がプラス(グラフの右)方向に進むにつれて、勝率が上昇(グラフの上方向)していきますので、正の相関になることが判ります。 また、相関係数は0.748なので、強い関係にあると判断できます。
上のグラフでは勝率を使用しましたが、勝数との関係を調べると相関係数は0.720となり、勝率と同様に強い関係にあります。
次は実績値である攻撃ポイントと投手ポイントがチームの勝利に影響を与えることを検証します。 こちらも、2005年から2013年までの12球団のチーム成績データを使用します。
攻撃ポイントと投手ポイントの合計値をX軸(横方向)に、チームの勝数をY軸(縦方向)に設定し、両者の関係を調べました。
ポイント数が増えるにつれて、勝数も上昇しますので、投手/攻撃ポイントの増加は勝数に繋がることが判ります。(相関係数は0.723)
攻撃ポイントと投手ポイントの合計が勝数に影響することが判りましたので、2014年シーズンを迎える12球団の実力をみてみましょう。
各球団の戦力の2013年度シーズンのポイントを単純に集計してみます。
なお、攻撃ポイントには投手の成績も含まれる為、投手のポイントは「攻撃P」の内数として「(投手分)」として表記します。(日本ハムの大谷翔平選手は投手扱い)
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2014年度 開幕時 |
前年比 |
2013年度実績 |
合計 |
投手P |
攻撃P |
合計 |
投手P |
攻撃P |
勝 |
敗 |
得点 |
失点 |
合計 |
投手P |
攻撃P |
(投手分) |
1 |
ソフトバンク |
6,353 |
3,362 |
2,991 |
811 |
624 |
187 |
73 |
69 |
660 |
562 |
5,533 |
2,738 |
2,795 |
-9 |
2 |
ロッテ |
4,885 |
2,490 |
2,395 |
▲34 |
9 |
▲43 |
74 |
68 |
572 |
584 |
4,910 |
2,480 |
2,430 |
-8 |
3 |
オリックス |
4,732 |
2,717 |
2,015 |
▲269 |
5 |
▲274 |
66 |
73 |
513 |
529 |
4,988 |
2,712 |
2,276 |
-13 |
4 |
日本ハム |
4,397 |
2,195 |
2,202 |
▲417 |
▲284 |
▲133 |
64 |
78 |
534 |
604 |
4,881 |
2,479 |
2,402 |
67 |
5 |
西武 |
4,057 |
2,271 |
1,786 |
▲970 |
▲358 |
▲612 |
74 |
66 |
570 |
562 |
5,011 |
2,629 |
2,382 |
-17 |
6 |
楽天 |
3,905 |
1,837 |
2,068 |
▲1,222 |
▲803 |
▲419 |
82 |
59 |
628 |
537 |
5,118 |
2,640 |
2,478 |
-9 |
|
1 |
巨人 |
5,563 |
2,850 |
2,713 |
85 |
97 |
▲12 |
84 |
53 |
597 |
508 |
5,402 |
2,752 |
2,650 |
-75 |
2 |
横浜 |
4,716 |
2,229 |
2,488 |
43 |
50 |
▲7 |
64 |
79 |
630 |
686 |
4,606 |
2,179 |
2,427 |
-68 |
3 |
阪神 |
4,661 |
2,277 |
2,384 |
▲430 |
▲499 |
69 |
73 |
67 |
531 |
488 |
5,033 |
2,776 |
2,257 |
-58 |
4 |
ヤクルト |
4,684 |
2,200 |
2,484 |
▲121 |
▲77 |
▲44 |
57 |
83 |
577 |
682 |
4,726 |
2,277 |
2,450 |
-78 |
5 |
広島 |
4,497 |
2,264 |
2,233 |
▲544 |
▲378 |
▲166 |
69 |
72 |
557 |
554 |
4,979 |
2,642 |
2,338 |
-62 |
6 |
中日 |
3,957 |
2,117 |
1,841 |
▲739 |
▲369 |
▲370 |
64 |
77 |
526 |
599 |
4,637 |
2,486 |
2,151 |
-60 |
開幕時の支配下選手の2013年度 実績値を集計した数値が「2014年度 開幕時」、2013年度のチーム成績との差異が「前年比」です。(攻撃ポイントの投手分は除外)
前年度比でプラスとなったのは、ソフトバンク、巨人、横浜の3球団のみ。 70ポイントは勝数1に相当しますので、ソフトバンクは前年比10勝以上に相当する補強となりました。
他の9球団は全てマイナス値なので、退団選手の実績を上回る移籍入団・復帰選手の補強は無く、新入団選手の活躍に期待する形となります。
ちなみに、昨年度の新入団選手(含む外国人登録選手)の投手ポイントと攻撃ポイントの合計は、最大が楽天の887ポイント、最小が広島の176ポイント、12球団平均で473ポイントでした。
5,000ポイント以上が優勝ラインとなる為、ソフトバンクと巨人のみが優勝を狙うに十分な既存戦力を確保しているといえます。
既存戦力の不足分を新入団選手がどれだけカバーできるかが、シーズン成績を左右することになるのでしょう。
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