プロ野球人事部の独自指標について


 
1.はじめに

個々の選手の能力や実績をシンプルな指標で表現し、簡単に比較することが出来ないかというのが、このページを開設してからの課題でした。

近年、統計的手法を用いて野球を評価するセイバーメトリクス(SABRmetrics、Sabermetrics)という考え方が普及しています。
これは従来の指標(打率、本塁打数、打点数、盗塁数、防御率、勝利数、奪三振数、セーブ数 等々)では選手の能力や実績を正しく評価できないのではないかという疑問に対する回答となるものです。

セイバーメトリクスの考え方に立つとどうなるのでしょうか。
例えば、野球という競技の目的は勝利を得ることであると仮定すると、その目的(=試合に勝利する)に影響を及ぼす要因を洗い出し、それらの要因ひとつひとつが勝利にどの程度 影響を及ぼすのかを調べます。 勝利を得る為に重要な要因が判れば、その要因に対する個々の選手の影響度を数値化することが可能ですし、特定の選手の能力や実績の評価もできるようになります。

このアプローチ手法を利用することで、選手同士を簡単に比較できるシンプルな指標を設定したいと思います。

指標を検討する為に、プロ野球人事部では「勝利することがプロ野球チームの目的である」という前提を置きます。
これは、勝利数を積み重ねた結果として、球団の興行収入や事業収入も増えるだろうという考えに拠るものです。
以下、この前提に立って考えて行きます。

なお、検討のデータとして、2005年から2013年までのシーズンの12球団の成績(12球団×9年間=108件)を用い、相関係数を調べました。 相関係数とは、2つの要素が関連する度合を測るもので、−1〜+1の範囲にある数値で表現され、+1あるいは−1に近いほど、強い関係にあると判断されます。(一般に、0.7以上か-0.7以下の場合は強い関係があると評価)

試合に勝つためには攻撃では得点を上げ、守備では失点を防ぐことが基本となり、その結果としてチームの勝敗が決まります。 このことから、選手の能力を表現したり、実績を評価する際には、得失点への関与度合を考えることが重要となります。(ちなみに得失点差数と勝利数との相関係数は0.748となり、強い関係があります)

また、選手を評価する場合には、その選手の能力(期待できる力)と実績(残した結果)という2つの観点が必要です。
通算打率や通算勝利数のような経年的数値からは、その選手の絶対的な能力を推測することが出来るので、選手の能力評価に使用します。
しかし、経年的な数値では1試合の特定の場面や1シーズンの成績などの限定された期間に発揮された成果は評価できません。 そこで、実績の大きさを評価する為に能力評価とは別の指標が必要となります。

 
2.得点を高める攻撃要素は何か

ますは、得点と攻撃要素の関係の強さをみてみます。
打率と得点の相関係数は0.842となり、強い関係があります。 安打数と得点は0.860、本塁打数とは0.769、塁打数とは0.924。
本塁打よりも打率や安打数、更に塁打数の方が得点との関係は強いようです。

出塁率とは0.858、長打率とは0.904、セイバーメトリクスの普及と共に注目が高まっているOPS(=出塁率+長打率)とは0.942と非常に高い数値。 OPSの修正版であるNOI(=出塁率+長打率÷3)とは0.941、BRA(=出塁率×長打率)とは0.945。

算出式が (塁打数+四死球+盗塁数)÷(打数−安打数+盗塁死+併殺打) と、獲得した塁の数をアウト数で除すことで、多くの攻撃要素が盛り込まれているTAとは0.948となります。
獲得した塁の数から盗塁刺(盗塁死)を減じた改訂版のTAとは0.949。

選手個々の能力を測る指標として、得点との関連性を重視すると、塁打数(0.924)、OPS(0.942)、BRA(0.945)、TA(0.948〜0.949)が候補となります。
どの数値を選択するかは価値観の問題になりますが、塁打数はOPS、BRA、TAそれぞれに包含されており、精度が若干落ちる印象を受けるので除外。
OPS、BRAは出塁率と長打率という異なる計数を一つにまとめることに無理を感じます。(乗算するBRAへの抵抗は少ないですが)
TAは獲得した塁の数を重視している点で他の指標よりも感覚的に理解し易く、計算式も単純であり、最も好ましく感じるので、得点を高める為の攻撃能力を測る指標として、TA(トータルアベレージ)を採用します。

なお、盗塁死を、獲得した塁の数より減じる改訂版TAは、盗塁死のみを凡打や併殺打よりも重要視している点に(結果として精度向上に効果があっても)理由がない為、最も基礎的なTAを用いることとします。

 TA =(塁打数+四死球+盗塁数)÷(打数−安打数+盗塁死+併殺打)

 
3.攻撃能力を比較し易い表現に

TAは1アウトとなる間に、いくつの塁を奪えるかという数値です。
一定の打席数を超える打者で1.0以上となるのは多くてもリーグで数名、レギュラークラスの選手の多くは0.6〜1.0となります。
打率のように馴染みのある指標は、その数値の持つ価値を直感的に理解(例えば、打率3割は優秀な打者で、打率2割は打撃を極端に苦手とする打者)できますが、TAの0.1の差が持つ意味を直感的に理解することは困難です。
そこで、TAを理解し易い数字に変換してみましょう。

TAは1アウト当りの獲得塁数を表す数値なので、これを1試合(27アウト)に換算します。
換算後の数値は、1人の打者だけで1試合を戦う(=1番から9番打者まで同じ選手で構成)と、いくつの塁数を奪えるかという数値になりました。
しかし、獲得塁数では まだピンとこないので、更に これを理解し易い期待得点に変換しましょう。

2005年から2013年までの9シーズンのTAを1試合あたりに換算(=TA×27アウト)すると17.45となります。 この数値と1試合あたりの平均得点4.16から、TAの1試合換算値から期待得点を算出します。(1試合あたりのTA 1ポイントあたり、0.238得点が得られる)
ある選手が一人だけで打者・走者として1試合を戦った場合の期待得点により、選手間の能力の差異を得点力(=獲得塁数)の形で比較することが可能となります。
数値は得点の形をとるので、差異が直感的に理解し易いものになると思います。

この数値を「得点率」と呼び、投手の防御率の打者版として、個々の打者の能力を表す指標として利用します。

 得点率 = TA × 27アウト × 0.238

得点率: その打者が27アウト(1試合)するまでに期待できる得点。 塁打数、四死球、盗塁、打者としてのアウト数、盗塁死により算出。

 
4.失点を高める要素は何か

失点と強い関係があるのは、やはり自責点と防御率で相関係数はそれぞれ0.989と0.982となります。
但し、元になるデータがチーム成績なので、投手は常に完投した形となり、投手の途中交代は反映さません。 自責点の矛盾点は走者を残してイニングの途中で投手交代し、交代投手が失点した場合に顕著に出るものです。 従って、自責点を使用することは、投手個々の能力を測るという目的に対しては適当ではありません。

投手交代の影響を受けない要素では、安打数が0.907、アウトに出来なかった数(=打者数−アウト数)が0.925となります。
打者評価で使用したTAの考え方を投手評価に準用できれば良いのですが、投手成績は打撃成績と異なり、安打と本塁打の区分しかなく、塁打数が算出できません。

単純に本塁打を4倍(=本塁打×4+[打者数−アウト数−本塁打数])にしてみると相関係数は0.962に上昇。
本塁打を除く安打数と塁打数の割合は1.22(=塁打数÷安打数)なので、これを反映(=本塁打×4+安打数×1.2+[打者数−アウト数−安打数])させると0.971となります。

これで、投手がアウトに出来なかった打者に与えた塁の数が擬似的に算出できるので、これを失点に対応する投手能力の評価指標として使用します。

 投手TA =[(打者数−アウト数−安打数)+(本塁打数×4)+(安打数−本塁打数)×1.2]÷アウト数

 
5.投手能力を比較し易い表現に

攻撃能力と同様に、2005年から2013年までの9シーズンの投手TAを1試合あたりに換算(=TA×27アウト)すると15.25となり、これと1試合平均失点4.01から、1試合あたりの期待失点を求めます。(1試合あたりの投手TA 1ポイントあたり、0.263失点となる)

この数値を「失点率」と呼び、防御率イメージで個々の投手の能力を表す指標として利用します。

 失点率 = 投手TA × 27アウト × 0.263

失点率: その投手が27アウト(1試合)奪うまでに期待できる失点。 擬似塁打数、アウトにできなかった打者数、投球回数(=アウト数)により算出。

現役投手ランキング (投球回300回以上 99名、2014年開幕時点)
失点率 試合 S 回数 防御率
1 2.83 山口 鉄也 441 42 12 24 469.1 1.90
2 3.02 摂津 正 219 55 26 1 695.1 2.39
3 3.02 浅尾 拓也 344 36 19 20 443.0 2.09
4 3.17 岩瀬 仁紀 855 53 41 382 873.1 2.03
5 3.27 前田 健太 162 71 50 1116.1 2.41
6 3.30 武田 勝 209 76 55 1 1143.2 2.77
7 3.34 吉見 一起 147 71 31 854.0 2.54
8 3.39 武田 久 513 31 29 166 547.0 2.42
9 3.39 牧田 和久 西 108 26 25 22 471.2 2.54
10 3.42 杉内 俊哉 273 126 65 1836.1 2.88
11 3.43 金子 千尋 206 74 43 5 1095.1 2.82
12 3.44 野村 祐輔 50 21 17 322.0 2.80
13 3.47 バリントン 87 31 34 552.2 2.93
14 3.49 メッセンジャー 111 39 32 623.1 3.03
15 3.51 岩田 稔 107 36 49 652.1 3.16
16 3.52 成瀬 善久 178 81 55 1237.0 2.99
17 3.53 澤村 拓一 90 26 31 528.0 2.63
18 3.54 西 勇輝 93 27 18 1 455.1 3.18
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90 4.42 青木 高広 211 15 28 409.1 4.73
91 4.42 小松 聖 139 25 25 461.1 4.41
92 4.44 野上 亮磨 西 109 24 20 1 397.1 4.01
93 4.46 長田 秀一郎 286 16 19 1 330.0 4.36
94 4.58 齊藤 悠葵 66 19 23 305.0 4.46
95 4.59 真田 裕貴 300 24 27 3 421.0 4.30
96 4.59 川井 貴志 289 27 27 548.2 4.35
97 4.64 小林 太志 126 13 22 1 385.1 4.46
98 4.84 吉見 祐治 267 44 62 1007.0 4.84
99 5.08 河内 貴哉 153 16 27 345.1 5.08
現役 日本人メジャーリーガー (2014年開幕時点)
失点率 試合 S 回数 防御率
2.84 ダルビッシュ有 167 93 38 1268.1 1.99
2.92 藤川 球児 562 42 25 220 692.1 1.77
3.20 田中 将大 175 99 35 3 1315.0 2.30
3.50 上原 浩治 276 112 62 33 1549.0 3.01
3.53 松坂 大輔 204 108 60 1 1402.2 2.95
3.64 岩隈 久志 226 107 69 1541.0 3.25
3.95 黒田 博樹 271 103 89 1 1700.1 3.69
主な引退選手
失点率 試合 S 回数 防御率
2.77 野口 二郎 517 237 139 3447.1 1.96
2.89 稲尾 和久 756 276 137 3599.0 1.98
2.96 スタルヒン 586 303 176 4175.1 2.09
3.03 若林 忠志 528 237 144 3557.1 1.99
3.07 別所 毅彦 662 310 178 4350.2 2.18
3.16 金田 正一 944 400 298 5526.2 2.34
3.17 小山 正明 856 320 232 4899.0 2.45
3.21 江夏 豊 829 206 158 193 3196.0 2.49
3.50 米田 哲也 949 350 285 2 5130.0 2.91
3.72 鈴木 啓示 703 317 238 2 4600.1 3.11
(救援投手)
3.24 佐々木 主浩 439 43 38 252 627.2 2.41
3.46 小林 雅英 463 36 34 228 599.0 2.93
3.99 高津 臣吾 598 36 46 286 761.1 3.20
(活躍期間が短期間)
2.74 沢村 栄治 105 63 22 765.1 1.74
3.13 池永 正明 238 103 65 1477.1 2.36
3.30 権藤 博 210 82 60 1136.0 2.69
3.46 尾崎 行雄 364 107 83 1548.2 2.70

 
6.攻撃実績を測る要素は何か

次は、実績を測る指標を検討します。 評価の一貫性を確保する為に、実績を積み重ねた結果が、能力指標である得点率の向上に繋がることが重要です。 従って注目するのは、得点率との関係の強さです。

評価に用いたデータは、2014年3月1日現在の支配下登録選手の年度別・所属球団別の一軍成績2001件。
2001件中、打席数が500以上となる330件で相関係数を求めました。

まずは、個人別の得点率と既存の指標との関係を確認してみます。
打率:0.677、出塁率:0.866、長打率:0.931、OPS:0.975、BRA:0.981、と強い関係がみられ、違和感はありません。

次に、1打席ごとに積み重ねていく実績値と、得点率の関係を検証します。
打者としての機会の多寡を表す打席数とは、0.152となり関係はみられません。 打撃実績の基礎値である、安打数とは0.457、出塁数(安打+四死球)が0.753、塁打数が0.845、塁打数+四死球では0.914となり、獲得した塁数の重み付けを精緻にすることに比例して、関連性が強くなります。(これは、得点率が塁打数、四死球、盗塁数を重視している為、当然の結果ですが)

また、得点に結び付いたかという観点でみると、打点:0.755、得点:0.675、打点+得点:0.834、と得点機会と強い関係にあることが判ります。

 
7.攻撃実績を数値化する

打者・走者にとって、点数を獲得する為には、@出塁する、A進塁する、Bアウトにならない、の3点が重要となるので、これらの要素を1本の指標にまとめる必要があります。

@とAは、自らの力で獲得した塁数を「獲得塁数」として算出できます。

 獲得塁数=(塁打数+四死球+盗塁数)

Bは喫したアウトの数により評価できそうですが、単純なアウト数では獲得塁数との比較は困難です。 アウト数を評価する為に、標準的なアウト数を示す指標を作り、それを基準として考えてみましょう。(これは、全く意味の異なる指標である出塁率と長打率を合算した数値を選手評価に用いるOPSに対して感じるような違和感を排除する為に必要な操作です)

標準的なアウト数は打数・打席数に対する数値(例えば、1-出塁率)ではなく、獲得塁数あたりのアウト数を使用することにします。 これにより、獲得塁数とアウト数の評価結果の親和性が増すからです。

ここでは、アウト数を獲得塁数で除した数値を「アウト係数」とします。 2005年から2013年までの12球団のチーム成績(108ケース)の集計値から、アウト係数は「1.547」となります。
これは1イニング(3アウト)に平均で2つの塁を奪えるという意味になります。

獲得塁数に注目して評価を行う為、「実績アウト数」と、塁を獲得するのに必要な平均的アウト数である「標準アウト数」とを比較し、塁数の獲得効率を評価します。

 実績アウト数=(打数−安打数)+盗塁死+併殺打数+犠打数+犠飛数

 標準アウト数= アウト係数 × 獲得塁数

「実績アウト数>標準アウト数」となる場合、獲得塁数に要したアウト数(実績アウト数)が、同じ塁数を記録するのに必要な球界平均のアウト数(標準アウト数)より多いので、塁数の獲得効率が悪いという意味になります。

「実績アウト数<標準アウト数」の場合は、塁数の獲得効率が良いという意味になります。

効率の悪い分、良い分のアウト数を消費することで獲得が期待できる塁数を、アウト係数を用いて計算し、獲得塁数に対する補正値を求めます。
この数値は、獲得効率が良ければプラスに、悪ければマイナスになります。

 獲得塁数補正値=(標準アウト数 − 実績アウト数)÷アウト係数

選手の打撃実績評価には、獲得塁数と補正値を使用します。

例えば、塁数の獲得効率が良い時には、標準アウト数との差のアウト数だけ他の選手(=標準的な獲得効率の選手)が攻撃した場合に得られる塁数が加算されます。
逆に獲得効率が悪い時には、アウト数の差(余計に消費してしまったアウト数)だけ他の選手が攻撃していたら得られた塁数を減算します。

 攻撃ポイント= 獲得塁数 + 獲得塁数補正値

 
8.攻撃ポイント ランキング

2013年度シーズンの規定打席到達者について、リーグ別に年間の攻撃ポイントを算出しました。
主要な項目の上位者(1〜5位と6〜10位)は、項目に着色しました。



P
























O
P
S


1 690 バレンティン .330 130 547 439 94 145 60 342 131 0 0 0 4 104 105 14 .779 .455 1.234 9.31
2 538 ブランコ .333 134 558 483 74 161 41 306 136 1 1 0 4 71 118 10 .634 .416 1.050 7.29
3 477 阿部 慎之助 .296 135 529 422 81 125 32 238 91 0 0 0 6 101 59 8 .564 .427 .991 7.14
4 421 鳥谷 敬 .282 144 643 532 74 150 10 218 65 15 7 1 2 108 65 12 .410 .402 .812 5.46
5 412 村田 修一 .316 144 595 519 76 164 25 265 87 1 1 6 7 63 74 11 .511 .385 .896 5.76
6 403 丸 佳浩 .273 140 601 506 82 138 14 215 58 29 15 5 4 86 103 6 .425 .376 .801 5.45
7 376 マートン .314 143 613 566 55 178 19 274 85 6 1 0 4 43 81 25 .484 .361 .845 5.01
8 343 長野 久義 .281 144 642 590 82 166 19 250 65 14 5 3 0 49 101 6 .424 .336 .760 4.62
9 337 和田 一浩 .275 142 581 495 63 136 18 215 76 2 2 0 7 79 63 26 .434 .370 .804 4.91
10 325 坂本 勇人 .265 144 620 554 73 147 12 218 54 24 4 4 3 59 87 11 .394 .334 .728 4.58
11 285 森野 将彦 .286 134 457 399 53 114 16 184 51 1 0 2 2 54 61 10 .461 .369 .830 5.21
12 277 クラーク .238 132 467 407 56 97 25 186 70 0 0 0 4 56 130 7 .457 .328 .785 4.91
13 275 ロペス .303 121 467 429 45 130 18 210 55 1 1 5 3 30 57 12 .490 .346 .836 4.96
14 275 新井 貴浩 .267 140 548 476 60 127 15 192 70 2 3 0 7 65 110 17 .403 .350 .753 4.51
15 256 西岡 剛 .290 122 549 497 57 144 4 190 44 11 3 0 6 46 65 6 .382 .346 .728 4.38
16 227 中村 紀洋 .281 122 473 431 37 121 14 184 61 1 0 0 5 37 66 20 .427 .334 .761 4.32
17 226 石川 雄洋 .275 119 523 459 75 126 5 161 41 5 2 5 0 59 76 6 .351 .357 .708 4.24
18 210 菊池 涼介 .247 141 633 538 69 133 11 201 57 16 7 50 5 40 121 4 .374 .297 .671 3.97
19 187 荒波 翔 .258 126 490 445 65 115 2 150 30 19 9 4 2 39 96 9 .337 .317 .654 3.84
20 176 大島 洋平 .248 140 555 499 68 124 3 155 27 19 9 10 3 43 69 2 .311 .306 .617 3.61
21 144 大和(前田) .273 104 454 384 51 105 0 123 21 19 9 35 0 35 40 2 .320 .334 .654 3.92
(規定打席未満)
- 278 梶谷 隆幸 .346 77 287 254 59 88 16 161 44 7 4 4 0 29 60 6 .634 .413 1.047 7.19
- 234 ミレッジ .251 96 423 374 56 94 16 163 49 7 3 3 2 44 54 12 .436 .329 .765 4.66
- 149 上田 剛史 .257 112 399 339 51 87 4 114 22 18 3 24 2 34 65 2 .336 .323 .659 4.15
- 73 比屋根 渉 .250 63 176 156 30 39 1 49 10 14 6 4 1 15 20 1 .314 .314 .628 4.04
- 205 ルナ .350 85 356 329 46 115 9 171 51 4 0 0 0 57 10 .520 .399 .919 5.02


P
























O
P
S


1 504 浅村 栄斗 西 .317 144 620 543 85 172 27 301 110 14 8 7 4 66 88 9 .554 .388 .942 6.31
2 465 長谷川 勇也 .341 144 637 580 92 198 19 296 83 12 2 0 5 52 111 5 .510 .392 .902 5.95
3 462 陽 ダイ鋼 .282 144 658 574 93 162 18 247 67 47 10 4 2 78 142 9 .430 .367 .797 5.55
4 455 糸井 嘉男 .300 141 601 524 75 157 17 245 61 33 9 0 3 74 93 6 .468 .384 .852 5.92
5 432 ジョーンズ .243 143 604 478 81 116 26 217 94 4 3 0 6 120 164 15 .454 .391 .845 5.77
6 428 マギー .292 144 590 513 78 150 28 264 93 2 3 0 5 72 119 12 .515 .376 .891 5.75
7 425 井口 資仁 .297 135 566 485 68 144 23 248 83 4 3 0 4 77 81 13 .511 .390 .901 5.92
8 412 ヘルマン 西 .319 144 623 518 74 165 4 205 55 40 20 8 5 92 87 20 .396 .418 .814 5.51
9 405 李 大浩 .303 141 593 521 60 158 24 257 91 0 0 0 2 70 80 20 .493 .384 .877 5.49
10 402 栗山 巧 西 .279 144 637 527 77 147 12 218 73 6 3 1 4 105 96 8 .414 .396 .810 5.41
11 392 内川 聖一 .316 144 633 570 76 180 19 272 92 1 0 0 5 58 47 23 .477 .376 .853 5.15
12 385 アブレイユ .284 138 571 504 59 143 31 255 95 0 1 0 6 61 132 14 .506 .357 .863 5.40
13 360 中田 翔 .305 108 459 407 67 124 28 224 73 1 2 0 1 51 77 11 .550 .381 .931 5.99
14 343 バルディリス .289 142 585 512 60 148 17 226 91 1 0 0 4 69 67 17 .441 .371 .812 4.99
15 320 松田 宣浩 .279 144 626 584 86 163 20 259 90 13 7 2 7 33 124 11 .443 .314 .757 4.46
16 314 秋山 翔吾 西 .270 144 634 564 89 152 13 230 58 13 6 12 2 56 89 8 .408 .334 .742 4.51
17 276 角中 勝也 .288 125 525 462 65 133 5 186 43 10 6 6 3 54 63 3 .403 .360 .763 4.75
18 273 今江 敏晃 .325 132 551 508 44 165 10 221 74 5 2 2 11 30 45 12 .435 .355 .790 4.61
19 273 中村 晃 .307 109 492 427 77 131 5 172 44 7 9 2 2 61 59 12 .403 .392 .795 4.87
20 245 銀次(赤見内) .317 131 525 482 63 153 4 195 54 3 3 1 4 38 44 14 .405 .365 .770 4.38
21 235 聖澤 諒 .284 120 491 433 51 123 2 154 40 21 8 9 0 49 100 3 .356 .357 .713 4.48
22 226 根元 俊一 .262 123 559 485 72 127 8 171 45 9 1 14 3 57 85 7 .353 .338 .691 4.16
23 222 鈴木 大地 .264 144 551 481 54 127 5 184 50 2 4 14 6 50 66 8 .383 .330 .713 4.14
24 211 松井 稼頭央 .248 125 497 448 55 111 11 174 58 1 1 2 4 43 85 4 .388 .311 .699 4.10
25 208 本多 雄一 .283 120 471 406 56 115 2 141 37 22 6 19 2 44 62 1 .347 .352 .699 4.46
26 191 大引 啓次 .266 120 492 402 52 107 3 134 32 13 3 32 0 58 86 9 .333 .359 .692 4.29
27 162 今宮 健太 .253 143 600 491 57 124 5 170 43 10 3 62 3 44 94 7 .346 .312 .658 3.82
28 142 伊藤 光 .285 137 475 410 36 117 3 150 40 4 0 35 3 27 84 10 .366 .327 .693 3.84
29 151 小谷野 栄一 .275 139 559 512 37 141 3 175 46 2 5 8 10 29 77 9 .342 .309 .651 3.44
30 134 嶋 基宏 .257 134 507 447 44 115 4 142 48 3 3 16 3 41 92 14 .318 .318 .636 3.42
31 128 安達 了一 .235 131 470 395 52 93 5 125 30 16 5 38 1 36 80 4 .316 .299 .615 3.66
32 127 藤田 一也 .275 128 536 466 48 128 1 152 48 3 3 33 4 33 43 7 .326 .320 .646 3.47
33 77 炭谷 銀仁朗 西 .215 141 468 413 28 89 5 120 43 1 2 19 2 34 62 14 .291 .274 .565 2.93
(規定打席未満)
- 207 荻野 貴司 .275 102 397 335 52 92 4 124 28 26 3 17 3 41 26 4 .370 .351 .721 4.91
- 101 岡田 幸文 .259 134 355 313 39 81 0 93 18 19 3 16 3 23 26 7 .297 .307 .604 3.58
- 179 西川 遥輝 .278 85 332 281 35 78 2 104 26 22 2 14 1 36 69 5 .370 .358 .728 4.96
- 76 中島 卓也 .238 127 272 223 24 53 0 58 8 23 2 26 1 22 47 2 .260 .305 .565 3.80
- 248 柳田 悠岐 .295 104 337 298 48 88 11 144 41 10 1 0 0 39 96 3 .483 .377 .860 5.80

2013年度 得点率と攻撃ポイントの相関図(規定打席到達者のみ)

 
9.投手の実績を数値化する

失点を避ける為には、走者を出さずにアウトを取ることが重要となるので、この考え方で指標を作ります。

アウトを取った実績は単純にアウト数で表現できるので、投球回数をアウト数に換算します。
奪ったアウトを積み重ねた結果であるアウト数も直接の貢献度を表現しますが、投手能力を検討する際に安打数やアウトに出来なかった数と失点の間に強い相関があることを確かめたので、アウトを奪う効率(=走者を出さず、進塁させずにアウトを取る)も加味する必要があります。

投手TAで用いた「アウトに出来なかった打者に与えた塁の数」(擬似的な塁打数)とアウト数の比率を、球界平均と比較し、差異を補正する方法を採ります。これは打者の攻撃実績評価と同じ考え方です。

 擬似塁打数=(打者数 − アウト数 − 安打数)+(本塁打数×4)+(安打数 − 本塁打数)×1.2

1アウトあたりの擬似塁打数を「与塁係数」とします。2005年から2013年までの12球団のチーム成績(108ケース)の集計値から、与塁係数は「0.565」となります。
これは1イニング(3アウト)に平均で1.7個の塁を与えるという意味になります。

 標準与塁数= 与塁係数 × アウト数

個々の投手の実績アウト数から、標準与塁数を求め、擬似塁打数の実績値と比較し、アウト効率の善し悪しを検証します。

「擬似塁打数の実績>標準与塁数」となる場合、アウトを獲得するまでに与えた塁数が、球界平均の与塁数(標準与塁数)より多いので、アウト獲得効率が悪いという意味になります。

「擬似塁打数の実績<標準与塁数」の場合は、アウト獲得効率が良いという意味になります。

効率の悪い分、良い分の塁打数をアウト数に換算することで、獲得アウト数に対する補正値を求めます。
この数値は、獲得効率が良ければプラスに、悪ければマイナスになります。

 獲得アウト数補正値=(標準与塁数 − 擬似塁打数の実績)÷与塁係数

投手の実績評価には、獲得アウト数と獲得アウト数補正値を使用します。
また、攻撃ポイントと投手ポイントのシーズン総計値の比が「4:6」となるため、これを補正します。

 投手ポイント= (獲得アウト数 + 獲得アウト数補正値)÷1.5

 2014.10.13追記 攻撃ポイントと比較可能な数値とするため、除数「1.5」を追加しました。

 
10.投手ポイント ランキング

2013年度シーズンの実績をベースに、規定投球回数到達者と救援投手の年間の投手ポイントを算出しました。
(救援投手はセーブ数が10以上、またはホールドポイントが25以上の選手)
主要な項目の上位者(1〜5位と6〜10位)は、項目に着色しました。



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572 金子 千尋 2.01 29 15 8 0 0 10 881 223.1 166 10 61 200 55 50 2.88
569 田中 将大 1.27 28 24 0 1 0 8 822 212.0 168 6 35 183 35 30 2.64
439 メッセンジャー 2.89 30 12 8 0 0 6 811 196.1 174 13 60 183 68 63 3.53
437 前田 健太 2.10 26 15 7 0 0 3 690 175.2 129 13 42 158 46 41 3.03
424 小川 泰弘 2.93 26 16 4 0 0 4 722 178.0 155 9 47 135 63 58 3.25
412 能見 篤史 2.69 25 11 7 0 0 6 724 180.2 155 18 41 127 57 54 3.45
407 岸 孝之 西 3.08 26 11 5 0 0 3 716 178.1 155 17 37 138 63 61 3.45
395 菅野 智之 3.12 27 13 6 0 0 1 729 176.0 166 10 42 155 70 61 3.53
382 則本 昂大 3.34 27 15 8 0 1 3 695 170.0 142 14 57 134 65 63 3.52
374 攝津 正 3.05 25 15 8 0 0 3 662 162.1 138 11 50 146 68 55 3.40
372 バリントン 3.23 28 11 9 0 0 0 710 172.2 154 17 55 117 67 62 3.71
355 牧田 和久 西 2.60 26 8 9 0 0 3 690 166.0 169 13 48 87 54 48 3.74
354 大竹 寛 3.37 25 10 10 0 0 1 675 163.0 152 13 53 100 64 61 3.67
350 十亀 剣 西 3.45 28 8 8 0 1 6 688 164.1 158 12 53 122 68 63 3.75
339 内海 哲也 3.31 25 13 6 0 0 1 675 160.1 157 11 53 107 68 59 3.78
335 スタンリッジ 2.74 26 8 12 0 0 2 677 160.2 161 12 51 124 62 49 3.84
333 三浦 大輔 3.94 27 9 13 0 0 2 731 175.2 181 26 34 109 88 77 4.22
332 杉内 俊哉 3.35 24 11 6 0 0 2 619 153.0 122 19 56 149 60 57 3.68
331 西 勇輝 3.63 28 9 8 0 0 3 708 166.0 178 13 56 137 74 67 4.02
331 吉川 光夫 3.31 26 7 15 0 0 1 686 160.1 150 10 62 125 72 59 3.88
330 澤村 拓一 3.13 34 5 10 0 7 3 654 158.1 138 18 48 148 58 55 3.84
324 唐川 侑己 4.18 27 9 11 0 0 0 728 168.0 185 12 49 80 85 78 4.15
318 野村 祐輔 3.74 23 12 6 0 0 2 620 149.1 142 13 44 103 70 62 3.75
303 野上 亮磨 西 3.95 30 11 7 0 4 0 643 152.2 141 17 49 93 71 67 4.04
299 石川 雅規 3.52 24 6 9 0 0 2 623 148.1 149 15 39 85 73 58 3.99
295 木佐貫 洋 3.66 24 9 8 0 0 2 620 145.0 141 10 55 95 64 59 3.94
292 大野 雄大 3.81 25 10 10 0 0 1 624 146.1 151 12 48 117 65 62 4.02
260 八木 亮祐 4.44 26 5 13 0 0 1 667 152.0 169 18 61 122 77 75 4.60
247 三嶋 一輝 3.94 34 6 9 0 1 2 642 146.1 138 20 79 145 67 64 4.64


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191 佐藤 達也 1.73 67 2 4 0 42 0 313 78.0 46 5 41 88 15 15 3.10
185 西村 健太朗 1.13 71 4 3 42 14 0 289 71.2 47 1 35 71 10 9 2.85
179 山口 鉄也 1.22 64 4 3 6 42 0 262 66.2 47 1 19 55 12 9 2.63
168 松永 昂大 2.11 58 4 1 1 30 0 323 76.2 68 4 30 65 23 18 3.64
168 マシソン 1.03 63 2 2 0 42 0 235 61.0 36 2 20 77 8 7 2.51
148 平野 佳寿 1.87 60 2 5 31 11 0 258 62.2 57 2 15 71 16 13 3.29
145 サファテ 西 1.87 58 9 1 10 25 0 229 57.2 29 4 28 66 13 12 3.00
142 ソーサ 1.79 55 3 4 19 14 0 249 60.1 51 2 21 54 20 12 3.29
137 五十嵐 亮太 2.53 51 3 3 12 14 0 214 53.1 38 1 19 58 17 15 2.86
126 増井 浩俊 3.71 66 4 4 4 32 0 273 63.0 71 3 19 63 28 26 4.01
126 益田 直也 2.76 68 2 6 33 11 0 268 62.0 65 3 20 66 24 19 3.95
125 ミコライオ 2.04 57 2 4 27 8 0 242 57.1 48 3 22 39 24 13 3.63
116 岩瀬 仁紀 1.86 55 2 3 36 10 0 227 53.1 48 2 20 37 16 11 3.65
115 山本 哲哉 2.87 64 1 3 11 26 0 250 59.2 57 8 19 38 24 19 4.16
113 安藤 優也 2.28 58 4 2 1 27 0 219 51.1 53 1 21 32 14 13 3.62
110 青山 浩二 3.43 60 3 5 11 20 0 263 60.1 61 6 21 60 24 23 4.35
107 宮西 尚生 1.74 57 3 1 0 33 0 197 46.2 40 1 18 39 12 9 3.44
106 福原 忍 1.20 50 4 0 14 18 0 184 45.0 40 2 13 38 9 6 3.29
104 カルロス・ロサ 2.08 52 0 1 0 27 0 199 47.2 46 3 13 48 11 11 3.65
101 ファルケンボーグ 2.04 41 0 4 10 9 0 153 39.2 17 4 19 49 10 9 2.90
98 ラズナー 3.35 37 1 2 17 4 0 149 37.2 31 1 11 40 14 14 2.83
96 石山 泰稚 2.78 60 3 3 10 24 0 263 58.1 58 6 31 59 21 18 4.72
64 武田 久 2.28 47 2 2 31 3 0 227 47.1 64 3 19 28 13 12 5.31

2013年度 失点率と投手ポイントの相関図(規定投球回数到達者のみ)

 
11.各指標の評価

失点を抑制する力の評価に「失点率」が、失点を抑制することへの貢献度測定に「投手ポイント」が、それぞれ役に立つかを否かを検証します。

2005年から2013年までの12球団のチーム成績データを使って、1試合あたりの失点数との相関係数を確認すると、「失点率」は0.975、1試合あたりの「投手ポイント」は−0.972となり、どちらも強い関係があります。(投手ポイントがマイナスの値をとるのは、失点を与えるとポイントが下がる為)

同様に、「得点率」と「攻撃ポイント」が得点アップに資するか否かの検証です。

同じデータを使って、1試合あたりの得点数との相関係数を確認すると、「得点率」は0.958、1試合あたりの「攻撃ポイント」は0.963となり、こちらも強い関係があります。

以上のことから、投手は失点を抑える、攻撃は得点を高める、という観点から評価すると、「失点率」「投手ポイント」「得点率」「攻撃ポイント」は評価指標として有効であるといえます。

[ X軸(横方向)は、1試合あたりの得点、または失点 ]

 
12.指標とチーム成績の関係

チームの勝率を上げる為には、失点を抑え、得点を増やすことが基本です。 チームの平均得点と得点率が、チームの平均失点と失点率が、それぞれ強い関係にあることを検証しましたので、チームの得点率と失点率の差がプラスであれば勝率が上昇し、マイナスであれば勝率が下降するはずです。

そのことを 2005年から2013年までの12球団のチーム成績データを使って、検証してみましょう。

得失点率の差がプラス(グラフの右)方向に進むにつれて、勝率が上昇(グラフの上方向)していきますので、正の相関になることが判ります。 また、相関係数は0.748なので、強い関係にあると判断できます。
上のグラフでは勝率を使用しましたが、勝数との関係を調べると相関係数は0.720となり、勝率と同様に強い関係にあります。

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次は実績値である攻撃ポイントと投手ポイントがチームの勝利に影響を与えることを検証します。 こちらも、2005年から2013年までの12球団のチーム成績データを使用します。

攻撃ポイントと投手ポイントの合計値をX軸(横方向)に、チームの勝数をY軸(縦方向)に設定し、両者の関係を調べました。
ポイント数が増えるにつれて、勝数も上昇しますので、投手/攻撃ポイントの増加は勝数に繋がることが判ります。(相関係数は0.723)

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攻撃ポイントと投手ポイントの合計が勝数に影響することが判りましたので、2014年シーズンを迎える12球団の実力をみてみましょう。
各球団の戦力の2013年度シーズンのポイントを単純に集計してみます。
なお、攻撃ポイントには投手の成績も含まれる為、投手のポイントは「攻撃P」の内数として「(投手分)」として表記します。(日本ハムの大谷翔平選手は投手扱い)

2014年度 開幕時 前年比 2013年度実績
合計 投手P 攻撃P 合計 投手P 攻撃P 得点 失点 合計 投手P 攻撃P (投手分)
1 ソフトバンク 6,353 3,362 2,991 811 624 187 73 69 660 562 5,533 2,738 2,795 -9
2 ロッテ 4,885 2,490 2,395 ▲34 9 ▲43 74 68 572 584 4,910 2,480 2,430 -8
3 オリックス 4,732 2,717 2,015 ▲269 5 ▲274 66 73 513 529 4,988 2,712 2,276 -13
4 日本ハム 4,397 2,195 2,202 ▲417 ▲284 ▲133 64 78 534 604 4,881 2,479 2,402 67
5 西武 4,057 2,271 1,786 ▲970 ▲358 ▲612 74 66 570 562 5,011 2,629 2,382 -17
6 楽天 3,905 1,837 2,068 ▲1,222 ▲803 ▲419 82 59 628 537 5,118 2,640 2,478 -9
1 巨人 5,563 2,850 2,713 85 97 ▲12 84 53 597 508 5,402 2,752 2,650 -75
2 横浜 4,716 2,229 2,488 43 50 ▲7 64 79 630 686 4,606 2,179 2,427 -68
3 阪神 4,661 2,277 2,384 ▲430 ▲499 69 73 67 531 488 5,033 2,776 2,257 -58
4 ヤクルト 4,684 2,200 2,484 ▲121 ▲77 ▲44 57 83 577 682 4,726 2,277 2,450 -78
5 広島 4,497 2,264 2,233 ▲544 ▲378 ▲166 69 72 557 554 4,979 2,642 2,338 -62
6 中日 3,957 2,117 1,841 ▲739 ▲369 ▲370 64 77 526 599 4,637 2,486 2,151 -60

開幕時の支配下選手の2013年度 実績値を集計した数値が「2014年度 開幕時」、2013年度のチーム成績との差異が「前年比」です。(攻撃ポイントの投手分は除外)

前年度比でプラスとなったのは、ソフトバンク、巨人、横浜の3球団のみ。 70ポイントは勝数1に相当しますので、ソフトバンクは前年比10勝以上に相当する補強となりました。
他の9球団は全てマイナス値なので、退団選手の実績を上回る移籍入団・復帰選手の補強は無く、新入団選手の活躍に期待する形となります。

ちなみに、昨年度の新入団選手(含む外国人登録選手)の投手ポイントと攻撃ポイントの合計は、最大が楽天の887ポイント、最小が広島の176ポイント、12球団平均で473ポイントでした。

5,000ポイント以上が優勝ラインとなる為、ソフトバンクと巨人のみが優勝を狙うに十分な既存戦力を確保しているといえます。
既存戦力の不足分を新入団選手がどれだけカバーできるかが、シーズン成績を左右することになるのでしょう。

 
13.最後に

有効です などと言い切っていますが、評価指標は数字を見る人の実感に近いか否かが重要なので、例えば勝利数を重視している人にとっては、失点率や投手ポイントなどは意味のある数字には見えないでしょうし、セイバーメトリクス通を任じる人にとっては、マイナーな指標など鼻も引っかけないでしょう。

プロ野球人事部では、選手の能力や実績を単純に比較したいと考えています。 その選手が優れているのか否かを、ひと目で見分けたい。 ただそれだけの為に 指標を設定しました。

この指標であれば、投手と野手の比較も全く不可能なことではないと思います。
点数を奪うか与えるかということを、打者は出塁数と塁打数を中心に、投手はアウト数と塁打数を中心に数値化しています。 出塁数とアウト数は表裏の関係ですし、得点率と失点率は1試合あたりの点数であり、攻撃ポイントと投手ポイントは1打席単位の結果を積み上げた数値です。
打者と投手の指標は、直接イコールではありませんが、数値の持つスケールは近似なので、比較は可能だと思います。

当面は検証と修正を重ねていくことになりますので、興味のある方はご参照ください。

 2014.07.21追記 犠飛と犠打について


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