週刊ドラフト会議 '01

週刊ドラフト会議 '01


ロッテ、土壇場で一位指名転換か ( 11/18 更新)

今江敏晃遊撃手(PL学園)の一位指名が確実とされていたロッテですが、土壇場にきて喜多隆志外野手(慶応大)への転換もあり得るとの報道がありました。
複数球団が入り乱れた喜多外野手争奪戦ですが、日本ハムが二位指名を決めたことにより決着とみられていました。 二巡目筆頭の日本ハムを上回るためには一位指名しかないのですが、ロッテがこれを検討中とのこと。 三巡目の筆頭はロッテですから、今江遊撃手を三位指名に回して両獲り出来る可能性も高く、この報道には現実味があります。

最終的に4球団の競合となる寺原隼人投手(日南学園)の はずれ一位候補として有力視されているのは、巨人が真田裕貴投手(姫路工)、横浜が秦裕二投手(智弁学園)、中日が鴨志田貴司投手(水戸短大付)か中村剛也一塁手(大阪桐陰)、ダイエーが杉内俊哉投手(三菱重工長崎)。
この中では、真田投手と秦投手に再入札で競合の可能性あり。

不作と呼ばれた今年のドラフト会議ですが、大学生捕手に即戦力とされる選手が多く、このポジションでの補強が必要な球団に好素材が行き渡りそうです。
高校生投手にも例年同様 将来性豊かな人材がみられ、指名順位を巡る駆け引きが続きます。
また、不作の年ということもあり、高年齢の選手や昨年の指名を見送られた選手の指名もみられそうです。

運命のドラフト会議は月曜日。 今年はどんなドラマが待っているのか、結果に注目しましょう。


注目の争奪戦 ( 11/11 更新)

6日にオリックスが小川裕介投手(立命館大)と平野恵一遊撃手(東海大)、阪神が浅井良捕手(法政大)を自由獲得枠の契約締結内定選手として公示。 予想されている顔ぶれが出揃い、興味はドラフト指名選手に移りました。

自由獲得枠を使用せず、一位指名の権利を保有する球団は8球団。 うち日南学園の寺原隼人投手を指名する予定なのが、巨人・ダイエー・中日・横浜・日本ハムの5球団。 残る3球団は、近鉄がPL学園の朝井秀樹投手、広島が浦和学院の大竹寛投手と、それぞれ評価の高い高校生右腕を単独指名。 ロッテは情報が錯綜していますが、PL学園の今江敏晃遊撃手を中心に高校生に絞っている様子です。

寺原投手のハズレ一位は、水戸短大付の152km右腕・鴨志田貴司投手、智弁学園の秦裕二投手、姫路工の真田裕貴投手といった面々が中心となり、再入札での競合も予想されます。
この他には日大三高の内田和也外野手、星稜の北野良栄捕手、中京大中京の前田章宏捕手といった、プロ側が喉から手が出るほどに欲しい人材も一位から三位(昨年までの逆指名枠)で間違いなく姿を消すことになるでしょう。

激しい争奪戦が注目されているのは3人。
リースキン広島の山口弘佑投手は当初は地元・広島がマークしており 隠し玉的な存在でしたが、一躍注目を浴びてしまい、指名順位を巡る阪神との駆け引きが噂されています。

六大学史上シーズン最高打率を記録した喜多隆志外野手はロッテとダイエーが争奪戦を展開しており、ロッテがウェーバー順位を活かして三位指名に踏み切ると報道があり、決着がつきそうな気配。 但し、ロッテがもたつきを見せるようだと、巨人・近鉄あたりも絡んで行方が混沌となる可能性も残ります。

中京大中京の前田章宏捕手は素材が高い評価を受けており、本人が中日一本を表明しているにも関わらず、巨人・近鉄・西武・日本ハムなど多数の球団の指名リストに掲載されている模様で、特に日本ハムは中日に先んじる形で三位指名を検討中。 中日が これを撥ね退けるためには一位入札をする他はなく、それも寺原投手のハズレ入札では日本ハムと競合する可能性が残ります。
前田捕手は中日以外の指名であれば、内定を得ている河合楽器(今年度限りで野球部は休部)に入社し、来年のドラフトを待つ意向ともいわれており、各球団の動向に注目しましょう。


自由獲得枠の大勢が確定 ( 11/ 4 更新)

今週は自由獲得枠の動向がほぼ確定しました。
31日に西武が青森大の細川亨捕手を、2日にヤクルトが青山学院大の石川雅規投手を、それぞれ自由獲得枠の契約締結内定選手として公示。 阪神は法政大の浅井良捕手と、オリックスも立命館大の小川裕介投手と合意し、週明けに公示手続きを取ります。
自由枠での獲得が予想されるのは、この他にはオリックスの東海大・平野恵一遊撃手のみ。

日南学園の寺原隼人投手は29日にダイエー、30日に2回目となる巨人と面接し、退部前特例措置であるプロとの交渉期間を終了しました。 マスコミの観測によると、寺原投手は巨人を本命としており、ダイエーと中日までは交渉の余地があり、他の球団が交渉権を獲得した場合はプロ入り拒否となりそう。
先週の阪神・広島に続いて今週はロッテが指名回避を決定、一位入札は巨人・ダイエー・中日・横浜・日本ハムの5球団で落ち着くようです。

ドラフト会議まで残り2週間となりました。 競合が予想されるリースキン広島・山口弘佑投手、智弁学園・秦裕二投手、姫路工・真田裕貴投手、水戸短大付・鴨志田貴司投手、浦和学院・大竹寛投手、 中京大中京・前田章宏捕手、慶応大・喜多隆志外野手らを巡る駆け引きに注目が移ります。
また、休部が決定した河合楽器に在籍している143km左腕・久本祐一投手と山井大介投手が、特例措置により今ドラフトでの指名が可能となった為、評価の高い両投手を巡って指名戦略を見直す球団がありそうです。


安藤が阪神を逆指名 ( 10/28 更新)

今年の逆指名第一号は、トヨタ自動車の本格派150km右腕・安藤優也投手となりました。 日南学園・寺原隼人投手のハズレ一位候補として数球団が熱心にマークしていましたが、寺原争奪戦を離脱した阪神が自由獲得枠での入団を働きかけて合意に達し、27日に記者会見を行いました。
阪神は残る自由枠で法政大・浅井良捕手の獲得も目指すようで、ドラフト会議の指名は4巡目からの参加となりそうです。

注目の寺原投手との面接ですが、今週は22日に日本ハムと巨人、23日に横浜・ロッテ・中日、24日にアトランタ・ブレーブスと6球団。 報道をみると巨人・横浜・中日に好感を持っており、メジャーと日本ハム・ロッテには脈なしの様子。 残りは大本命といわれているダイエー一球団のみで29日に面接の予定。
先週の阪神・広島は指名回避となりましたが、今週の日本ハム・ロッテは指名強行の姿勢を崩しておらず、巨人・横浜・中日・ダイエーの計6球団の競合となりそうです。


西武、細川獲得に照準 ( 10/20 更新)

動向が注目されていた西武が自由枠で青森大・細川亨捕手の獲得に動くことを表明しました。 中央では無名の選手ですが、スカウトの評価は高く、巨人・阪神などの人気球団を始め数球団がマークしており、ポスト伊東候補として獲得を確実にするために自由枠指名としたようです。
これにより、当初 西武が有利とされていた東北福祉大・石原慶幸捕手は広島の単独指名が有力となりました。

また、今週から日南学園・寺原隼人投手に対するメジャーを含むプロ球団の接触が開始されました。
初日の19日はドジャース、阪神、広島の3球団でしたが、会見は不調に終わったようで、脈なしを確認した阪神と広島は指名を断念することになりそう。
希望球団以外が交渉権を獲得した場合は アメリカ留学か社会人入りし、メジャー入団は選択肢に入っていない模様です。


寺原争奪戦に中日も参戦 ( 10/14 更新)

日南学園・寺原隼人投手ですが、一位指名が確実となっている巨人・横浜・ダイエー・日本ハム・ロッテの5球団に続き、今週は中日の参戦が確実となりました。
早い時期から一位候補としていた中日ですが、競合を避けて水戸短大付・鴨志田貴司投手の単独指名を 目指すとの観測もありました。 しかし10日のスカウト会議で寺原投手指名を決定し、ハズレ一位として鴨志田投手など高校生3選手を絞り込みました。

故障によりリーグ戦登板を見送っていた青山学院大・石川雅規投手ですが、自由枠獲得を見送るのではないかとの噂もあったヤクルトは、12日の編成会議で獲得を再確認。

青山学院大・石川投手の争奪戦に敗れて以降、指名動向が不透明だった近鉄ですが12日の編成会議でPL学園・朝井秀樹投手の一位指名を確認しました。 評価の高い朝井投手ですが、他球団の一位指名への動きは見えませんので、単独指名となる確率が高そうです。


中間時点での総括 ( 10/ 7 更新)

近鉄の劇的優勝や延びに延びたヤクルトの優勝、長嶋・星野・東尾・仰木といった人気監督の相次ぐ辞任、更には近鉄・ローズ選手の年間本塁打記録など、今年のプロ野球界は最後まで話題には事欠かない状態が続き、ドラフト関連報道はすっかり影を潜めてしまいました。
そんなこんなで、先週はネタもないため休止。 今週も同様の状態ですが、現時点での各球団の動きを総括してみたいと思います。

今年から開始される自由競争枠ですが、これを使用することが確実視されているのは2球団のみ。
ヤクルトは青山学院大の小兵・石川雅規投手、オリックスは立命館大の左腕・小川裕介投手と東海大の平野恵一遊撃手の獲得を確実にしたようです。
この他にはダイエーが今年の即戦力ナンバー・ワンである三菱重工長崎の左腕・杉内俊哉投手と相思相愛とされましたが、9月に日南学園の寺原隼人投手の一位入札に方向転換。 また西武も東北福祉大の石原慶幸捕手獲得が本命視されていましたが、堤オーナーが「優勝したら高校生を」と暗に寺原投手指名を示唆。 両球団ともに最終的な動向が注目されています。

157km右腕・寺原投手の指名が確実とされているのは、巨人・横浜・ダイエー・日本ハム・ロッテの5球団。 一位候補に挙げているものの中日と広島は指名回避で落ち着きそうな気配、阪神と西武は微妙な状況のようです。

指名動向が不明なのは近鉄。 早い時期に寺原投手の指名が取り沙汰されましたが、特段の動きもない様子。 今年も競合を避けることになりそうです。


ダイエー乱心か? ( 9/23 更新)

ドラフト戦線に波乱がありました。 日刊スポーツ紙によると、ダイエーは逆指名が確実視されている今年の目玉・杉内俊哉投手(三菱重工長崎)の自由枠獲得を見送り、寺原隼人投手(日南学園)の一位入札に参加するとのこと。

記事の真偽は不明ですが、これが事実とすると大波乱です。 ダイエーは杉内投手をハズレ一位か二位で指名するのでしょうが、不作が嘆かれる年に即戦力左腕を他球団が黙って見過ごすとも思えません。 勝算は薄くても指名強行してくることは充分に考えられます。
とりあえず、ダイエーと獲得合戦を繰り広げていた西武の動きに注目が集まります。


安藤が逆指名枠に急浮上 ( 9/16 更新)

評価が高く 有力な一位候補だった野間口貴彦投手(関西創価)が創価大に進学することが確定的となりました。
寺原隼人投手(日南学園)、鴨志田貴司投手(水戸短大付)と並ぶ高校生の目玉の進学で、各球団の選択肢が更に狭まります。

自由枠獲得選手を固めつつあるヤクルト、ダイエー、オリックスの3球団以外は、寺原投手の競合入札を睨んだ動きとなりますが、ここにきて俄然注目を浴び始めたのが安藤優也投手(トヨタ自動車)。
シーズン当初は無名ながら、150km台(?)のストレートを武器に逆指名枠の有力候補に急浮上してきました。 巨人を中心に、極めて確率の低い寺原入札と両睨みの駆け引きが続きそうです。


石川、ヤクルト確定か ( 9/ 8 更新)

ペナントレースが盛り上がっているため、ドラフト関連の報道が少なくなっています。 目新しい動きはありませんでしたので、石川雅規投手(青学大)を巡る動きなど。

160cm台の小柄ながらスクリュー・ボールを武器に大柄な打者を手玉にとるピッチングに注目が集まり、巨人・ヤクルト・広島・ダイエー・近鉄の5球団が自由枠での獲得を目指していたようです。
この中から巨人とダイエーの人気球団が早々に離脱しました。 ヤクルト有利の報道が強まる中、脈のない選手は絶対に指名しない広島が不利を悟って脱落、近鉄も寺原隼人投手に方向転換し、ヤクルトに固まりつつあるようです。 やはり在京のセ・リーグ球団強し、です。

広島は朝井秀樹投手(PL学園)を一位候補としているようです。 夏は出場辞退となりましたが、その素材は桑田2世との声も上がるほど評価が高く、中日も一位候補のひとりに挙げています。
同じく中日が一位候補としている鴨志田貴司投手(水戸短大付)も評価が高く、ハズレ一位までで消えることは確実でしょう。
野間口貴彦投手(関西創価)も評判が高いのですが、こちらは進学の意思が強いようで、指名除外選手となりそうです。


寺原フィーバー続く ( 9/ 1 更新)

甲子園大会で157km(テレビ表示では155km)を計測し、一躍全国区に踊り出た日南学園の寺原隼人投手に人気が集中しています。
大会前から寺原投手の一位指名が確実視されていたのが日本ハム、ロッテ、横浜の3球団でしたが、人気球団を中心に次々と一位入札に舵を切る状態が続きました。

即戦力以外には見向きもしなかった巨人が 渡辺オーナーの自己批判を経て指名に積極的な姿勢を見せ、立命館大の小川裕介投手をオリックスと競っていた阪神も参戦の姿勢、西武の堤オーナーまでが”優勝したら”という前提付きながら指名に色気を見せ、現時点では6球団が寺原投手を一位指名する勢いです。
これに加え中日も一位候補の一人に名前を挙げており、広島も”本人に入団の意思があれば”という条件付きで指名を検討しています。

寺原フィーバーに目を奪われているうちに、オリックスが立命館大の小川投手と東海大の平野恵一遊撃手の即戦力2名の逆指名(=自由枠)を確実にしたとの報道がありました。 ドラフト戦線の序盤で不人気球団が逆指名枠を埋めてしまうというのは稀有な例です。
事実とすれば、オリックスのスカウト陣の大手柄といえるでしょう。

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今週のトピックスでオリックスに「不人気球団」という形容詞をつけたところ、抗議メールを頂戴しました。
このページはあくまで”ドラフト会議”をテーマにしたものですから、その球団のファンの多寡ではなく、ドラフト会議における人気・不人気を表現したものです。
人気の筆頭は巨人とダイエーの2球団で、それに次ぐのは西武。 この3球団だけがドラフト戦線での人気球団といえるでしょう。 関西の雄である阪神と在京セのヤクルト・横浜あたりまでが人気があるか否か微妙なくらいで、残りは全て不人気球団と呼べると思います。
自分の好き嫌いではなく、過去の流れをみれば容易に判断がつくと思いますので、ご理解ください。
今回頂戴した抗議や疑問のメールが、全てフリーアドレスや転送アドレスを使用しているのにはビックリさせられました。 昔の抗議メールには実アドレスが多かったのですが。


人材不足? 今年のドラフト戦線 ( 8/25 更新)

不作の年という評の高い今年のドラフト対象選手ですが、その中でシーズン当初から目玉とされているのは即戦力左腕の杉内俊哉投手(三菱重工長崎)。
各球団の争奪戦が展開されて当然の素材ですが、昨年からダイエーで決まりという評価が固まっており、無風のままダイエーの自由枠が確定的となっています。

これに次ぐのが石川雅規投手(青学大)。160cm台の小兵ながら左腕から繰り出すスクリューボールは大学では無敵で、スカウトからも高評価。 話題性充分の素材をマークしていると噂されているのは、巨人・ヤクルト・広島・近鉄の4球団。

同じく即戦力左腕とされる小川裕介投手(立命館大)に対しては、阪神とオリックスが早々と獲得意思を表明しました。

野手では石原慶幸捕手(東北福祉大)が守備での即戦力評価を得ており、注目されています。 しかし、西武入団が固いというのが衆目の一致するところであり、自由枠を行使すれば西武で決するようです。

不作とされる年は高校生に注目する球団が多くなりますが、今年は目玉投手がふたり現れました。
3年になって自己記録を次々に塗り替え、夏の甲子園で157kmを計測したとされる日南学園の寺原隼人投手が目玉中の目玉。 甲子園出場により知名度もアップし、営業面からの獲得ニーズも強そうな気配です。
大会前までは大学生・社会人獲得のための自由枠行使が確定的とみられていた球団が次々に色気をみせており、文字通り”台風の目”。

もうひとりは水戸短大付の鴨志田貴司投手で、こちらは152km。 将来性を評価する中日が真っ先に一位候補に挙げていますが、寺原投手の競合を回避する球団が流れてくる可能性が高そうです。

早い段階で一位候補確実と噂されている選手は、以上の投手5名(社会人1、大学生2、高校生2)と社会人捕手1名の合計6名。
この顔ぶれを中心に今年のドラフト戦線は展開されていくようです。


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